テレビ放送された映画の感想日記
2008年〜
  2月16日(土)    宇都宮   最高気温7.8℃  
 NHKのBSでアカデミー賞受賞の映画特集をやっているので、
 白黒映画のエリザベス・テーラーの「陽の当たる場所」、
 イングリッド・バーグマンの「ガス燈」などのサスペンス映画や 
 「レオン」、「9デイズ」などのハラハラドキドキのアクション映画を見た。
 最近の私は 古い映画鑑賞に どっぷりと浸っている。(笑)
 今日は8時からモーツアルトの生涯を描いた「アマデウス ディレクターズ・カット」を見た。
 1984年に上映され、57回アカデミー賞8部門受賞作品を 20分の未公開の映像を
 加え、3時間にし、2002年に再編集した映画。
 モーツアルトのユーモラスな仕草に、クスッと笑ってしまう場面もあるが
 最後は悲惨な結末にと、一挙に流れていき、目が離せられない展開で画面に釘づけ。
 モーツアルトは6歳の頃から作曲をし、天才だった。
 その才能を賛美しながらも、嫉妬の気持ちがうずまく宮廷作曲家サリエリ。
 そしてモーツアルトを私が殺したと叫ぶ。精神病院に運ばれ、神父に告白する。
 クラシックもオペラも興味のない私には、難しい映画かなと思いながら見始めたが
 素晴らしい音楽とドラマチックな筋に、大満足の映画だった。
 モーツアルトの事を知りたいと思って、検索したら、ちょうどいいページがあった。ここ
 あらすじ  (映画資料から)

  2008年2月11日              「ガス燈」 
 
 あらすじ  (映画資料から)
19世紀のロンドン。ポーラ(イングリッド・バーグマン)はいつものようにグアルディ先生のもとで歌のレッスンの最中だったが、突然、グアルディ先生が怒り出した。 「なっとらん、やるだけ無駄だ!叔母さんが聞いたら嘆くぞ・・・」 叔母さんとはポーラの叔母アリス・アルキストのことで、大歌手だったがポーラの幼い頃、何者かに殺され未だに動機も犯人も解っていないのだ。 ポーラが歌に実が入らないのは最近、恋をしているからだった。相手は今もピアノを弾いていたピアニストのグレゴリー(シャルル・ボワイエ)だった。二人は知り合って半年で恋に落ちたのだ。 グレゴリーがポーラに求婚し、二人は結婚した。 グレゴリーの希望で二人はソーントン広場に面した、殺されたポーラの叔母アリス・アルキストの邸宅に住み始めた。ポーラはこの家に住みたくなかったが、グレゴリーの強い希望だったのである。 ポーラは亡くなった母に代わりアリスに育てられ、邸宅はポーラに遺されたのである。 テオドラ皇后に扮したアリスの肖像画が階段の踊り場に掛かっている。ロシア皇帝も見に来たというその肖像画はポーラに瓜二つだった。 「叔母はその下に倒れ死んでいた・・・」 ポーラはグレゴリーに言った。 古びたピアノを弾くグレゴリー。その時、脇にいたポーラが楽譜の間に挿んであった手紙らしきものを読み始めた。「・・・セルジス・パウアーの手紙・・・殺される二日前だわ」 瞬間、グレゴリーがポーラからそれを取り上げ目を吊り上げた。 「・・・どうしたの?」 驚いたポーラに気を取り直したグレゴリーは言った。 「君に腹を立てたんだ。何かというと叔母さんのことばかりにこだわっているからだ」 グレゴリーは取り上げた手紙をさりげなくポケットにしまい込んだ。 邸宅には耳の遠いメイド、エリザベスと新たに雇われた若いメイド、ナンシー(アンジェラ・ランズベリー)がいた。ナンシーは態度が横柄でポーラを見る目に険がある。ポーラはこのメイドが苦手だった。 グレゴリーはポーラに母の形見だというブローチをプレゼントした。バッグに入れて、グレゴリーとともにロンドン塔へ出かけた。そこでポーラを見た若い男が帽子を取りお辞儀をした時、ポーラも会釈を返した。 「知ってる人か?」 「いえ、知らないわ、向うが挨拶したから・・・」 男は幽霊に出会ったかのようにポーラの後姿を見つめている。ブライアン・キャメロン(ジョゼフ・コットン)というロンドン警視庁の警部だが、少年の頃、歌手アリスの大ファンだったのである。 グレゴリーは展示室の宝石に高い関心を示した。 確かにバッグに入れたはずのブローチが無くなっていた。 「最近、君は忘れっぽくなった、物を無くしたり・・・」 グレゴリーは何回となく繰り返した。だが、ポーラには身に覚えがない。 夜、グレゴリーが作曲のためにスタジオへ出かけた後、ガス燈の明かりが暗くなるのに気が付いた。その後、上の階で何やら物音が聞こえるような気がした。上には物置部屋があり、封鎖されている筈だった。日増しにポーラは怯えていく。 「毎晩、一人になるのが怖いの、この家が怖いの、物音や足音がして、人が大勢いる気がする・・・」 ポーラは訴えた。 グレゴリーは君の妄想だといってまともに取り合わなかった。 ブライアンはロンドン警視庁でアリス殺人事件のことを調べ、事件にはある宝石がからんでいることを知った。さる外国人が王冠の宝石をアリスに贈ったのだが事件後もまだ犯人と共に見つかっていなかった。 ブライアンはアリスに瓜二つの姪ポーラの邸宅を探り始めた。 「壁の絵が無くなっている、隠し場所から戻しなさい!」 グレゴリーがポーラに激昂した。うろたえたポーラは階段の踊り場の彫像の影から絵の額を取り出した。鋭く見つめるグレゴリーに言った。 「・・・前にも、ここにあったから・・・私じゃない、聖書にかけて誓うわ!私じゃない!」 ポーラを見るグレゴリーの視線は冷たかった。 「君の母も精神を病んでいた、病院で死んだんだ、病院で医者に会って聞いた」 「嘘よ・・・」 「君には医者が必要だ」 ポーラは神経が磨り減っているのか、全てに自信を失いつつあった。 夜霧のロンドン。グレゴリーが玄関を出た。そして少し行った所で闇に消えた。 ガス燈の明かりが暗くなる。物置部屋で物音がする。ポーラはメイドのエリザベスを呼んだ。だが、このメイドは耳が遠い。 「まさか、気のせいですよ、屋根裏は釘付けしてあるのです、奥様の空耳です」 ブライアンの指示を受け、邸宅を見張っていた警官の報告はこうだった。 「夜中の3時頃・・・霧の中からあの男が現れたのです、服は汚れ、埃だらけでした・・・近く、ポーラ夫人はどこかへ移るそうです」 警官がメイドのナンシーをてなづけて仕入れた情報だった。 ポーラがどこかに移されることに危機感を抱いたブライアンは次の夜、グレゴリーが家を出たのを確認してから、玄関に押し入った。エリザベスが止めたが物音で顔を出したポーラにブライアンはある手袋を見せた。 「子供の時、ファンだったんです」 それはアリスが秘密の大ファンにプレゼントしたという手袋の片方だった。 「・・・貴方でしたの!・・・叔母から聞いています」  「貴方は正常だ、それを証明してみせます」 ブライアンはきっぱりと言い切った。 「ご主人は?」 「スタジオを借り作曲中です、家では気が散るとかで・・・」 その時、ガス燈が暗くなった。上から物音が聞こえる。 「あれが誰か、お解りの筈だ」 「・・・」 「ご主人は裏の路地から5番地の空家に入り、屋根伝いに・・・」 「・・・何故?・・・」 そして、上の物置部屋に死んだアリスの遺品の全てがあると言うと、 「それで読めた」 ブライアンは胸を張った。 物置部屋でグレゴリーが何かを探している。今まで何回も探しても見つからなかった物、それがあった! さりげなく模造品の中に混ぜドレスを飾っていた宝石だった。 一方、下の階ではグレゴリーの部屋にブライアンが入り、机をこじ開けた。すると引き出しの中にセルジス・バウアーの手紙があった。ブライアンはその筆跡がグレゴリーのものと一致したのを見逃さなかった。 「セルジス・バウアーとご主人は同一人物です」 「・・・・」 ガス燈が明るくなっていた。グレゴリーが帰ってくる! 一旦ブライアンは外に出てグレゴリーが帰ってくるのを見張った。 しかし、グレゴリーは外に出ず、釘付けされた物置部屋のドアを開け階下に降りてきたのだ。そして自分の部屋の机に異変を察知した。 ポーラが呼ばれグレゴリーが問い詰めた。 「机を開けたな!」 「・・・・」 「何故黙っている」 「・・・彼よ、彼が開けたんだわ・・・」 「彼?誰だ・・・」 エリザベスが呼ばれ、グレゴリーが問い詰めるとエリザベスは誰も家には入れていないと言う。 ポーラは気が変になりそうだった。 「君は夢を見たんだ」 「夢?・・・」 「そう、全てが夢だ」 「・・・もう駄目・・・病院へ連れていって・・・」 ポーラの目は空ろになっていた。 その時、ドアの入口にブライアンが立っていた。彼はグレゴリーと同じように5番地の空家から侵入し、屋根伝いに物置部屋へ入り、直接階下へ降りてきたのである。その手にアリスのドレスがあった。 ポーラを部屋に戻し、二人の男が対立した。グレゴリーの拳銃を叩き落し物置部屋に逃げるのを追うブライアン。 銃声に驚いたポーラが出てくると物置部屋から出てきたのはブライアンだった。 グレゴリーは椅子に縛り付けられていた。「・・・二人きりで話をさせて」 ポーラは言った。ブライアンがドアの外にでると、すかさずグレゴリーが囁いた。 「あいつの話は全部嘘だ、この縄をほどいてくれ、そこの引き出しにナイフがある」 ポーラはナイフを取り出した。その時、ロンドン塔でなくしたと思っていたブローチもそこにあった。全てはグレゴリーの策略であった。ポーラはナイフを捨てた。 「少しでも愛していたなら、もう一度チャンスをくれ・・・」 必死にグレゴリーは言った。 「精神異常じゃ無理だわ・・・母の遺伝なの・・・」 「あれは嘘だ!助けてくれ」 「まともだったら助けてあげられるけど、精神異常だから、引き渡すわ」 叔母を殺されたうえ、さんざん今まで夫に騙され自分でも自信喪失になりかけていた若妻のせめてもの復讐だった。 ポーラはブライアンを呼び、グレゴリーは警官に引き立てられていった。 テラスハウスの屋根に出るポーラとブライアン。テラスハウスは隣家と屋根が繋がっており、自由にどの家にも行ける集合住宅で宮殿を思わせる豪華な作りは上流階級の住む家として用いられた。 「時々、様子を見に立ち寄らせてください」 ブライアンが言った。今や、疑惑が解け、自信を取り戻したポーラは応える。 「ありがとう・・・」 ブライアンは迷宮入りであった叔母アリスの殺人事件を解決するとともにポーラの命の恩人にもなったのである。 映画館主から イングリッド・バーグマンが初のアカデミー主演女優賞に輝いたスリラー映画の古典。バーグマンは29才でした。 愛している筈の夫の罠にはまり、神経衰弱に落ち込んでいく妻の不安を見事に表現した結果でした。 バーグマンはこの演技によりスリラーづき、引き続いてヒッチコック作品「白い恐怖」(’45年、共演:グレゴリー・ペック)、「汚名」(’46年、共演:ケーリー・グランド)、「山羊座の下に」(’49年、共演:ジョゼフ・コットン)と繋がっていきます。 晩年の「オリエント急行殺人事件」(’74年、監督:シドニー・ルメット、主演:アルバート・フィニー)もミステリーでしたが、ここでもアカデミー助演女優賞を得ています。 夫役のシャルル・ボワイエは、フランス出身の二枚目。「うたかたの恋」や「歴史は夜作られる」などの多くの恋愛映画で女性観客を虜にした名優も、実生活では’78年、44年連れ添った女優パット・パターソンの死の二日後に後追い自殺をしています。 警部役のジョゼフ・コットンは「市民ケーン」で映画デビュー、本作の前年には「疑惑の影」(’43年、監督:アルフレッド・ヒッチコック)で殺人者を演じています。 この後’50年の「第三の男」(監督:キャロル・リード、主演:オーソン・ウェルズ)と彼の絶頂期の頃です。 監督のジョージ・キューカーは女優扱いの上手い監督として知られ「若草物語」(’33年、主演:キャサリン・ヘップバーン)、「椿姫」(’36年、主演:グレタ・ガルボ)、「スタア誕生」(’54年、主演:ジュディ・ガーランド)などで知られますが、私は未見です。 アカデミー賞にノミネート5回目で初めて監督賞を受賞した「マイ・フェア・レディ」(’64年、主演:オードリー・ヘップバーン)はシンデレラ物語のミュージカル大作で私も信州松本の映画館で見ました。

  2008年2月11日              「陽のあたる場所」 
 
あらすじ  (映画資料から)
貧しい家庭に育ったジョージ・イーストマン(モンゴメリー・クリフト)は、叔父が経営する水着メーカー、イーストマン社で職を得るため叔父の邸宅を訪れた。 叔父が招いてくれたのだが、その時、叔父の家で出会った富豪の令嬢、アンジェラ・ヴィッカース(エリザベス・テーラー)に心を奪われた。 ジョージはイーストマン社で働き始めた。同じ職場のアリス(シェリー・ウィンタース)とお互いが好意を感じていた。 ある日、映画館でジョージとアリスがたまたま隣の席だったのが、二人の関係の始まりだった。二人は隠れてデイトを重ねた。イーストマン社は従業員の9割が女性で社内恋愛は御法度なのだ。 「君は水着を着るのかい」 「私・・・泳げないのよ」 ジョージの誕生日の日、アリスとの約束があったのだが、社長のパーティーと重なってしまった。ジョージはそこでアンジェラと再会した。ダンスを踊るジョージとアンジェラ。 ジョージがアリスのアパートへ行くとアリスが沈みきった顔で待っていた。 「ごめんよ、パーティーを抜けられなかったんだ」 アンジェラがジョージをデイトに誘い、ジョージは応じた。社交界のパーティへ行きダンスを踊る二人だが、ジョージは何か浮かない顔つきだ。 「何だか変よ、心ここにあらずって感じで」 アンジェラは気になった。 ジョージは告白した。「愛してる、初めて会ったその日から」 アンジェラも答えた。「愛してる、怖いくらいに」 「僕は世界一幸せだ」 「私の次にね」 二人の恋が燃え上がった。 ジョージはアリスの妊娠を知った。まずい、イーストマン社で、社内恋愛は許されないのだ。まして、叔父でもあるイーストマン社の社長に目をかけられている身としては・・・。 アンジェラに湖に誘われた。「両親に貴方を紹介する絶好のチャンスよ」 ジョージは応じた。ここ、“アビの湖”では、去年の夏、二人連れの男女がボートで転覆し、溺死する事故があったという。 アリスは新聞の紙面にボートで遊興するアンジェラとジョージの写真を見て理性を失った。 夜の晩餐の時、ジョージに電話が掛かって来た。『もう、騙されないわ、すぐに帰ってきて、さもないと、貴方とのこと、イーストマン社に全てを話すわ・・・』 アリスだった。ジョージは動転した。母親が病気らしいと嘘をつき、アリスの待つバス停留所へ急いだ。 「明日、結婚して!でなきゃ、全部ぶちまけて死んでやるわ!」 翌日、結婚の手続きをしようと裁判所へ行くと、休日で休みだ。ジョージは仕方なくアリスを湖へ誘った。ボートを借り、沖へ漕いで行く。アリスは将来の夢を話した。ジョージは何か考え事をしている。・・・この女が死ねば全てがうまくいく・・・。アンジェラとの恋もかなう。 「私の夢は、貴方の愛が戻ること。知らない町で二人で努力していい家庭を作るのよ」 「やめろ!」ジョージはたまらず叫ぶ。アリスはジョージの顔色を見た。 「・・・私が死ねばいいと思ってるのね!」 アリスが立ち上がったその時、ボートが大きく揺れた。「あっ」 ボートが一瞬のうちに転覆し、二人は湖に投げ出された。 ジョージは一人、湖を脱出した。アリスは泳げないのだ。多分溺れて死んでしまったに違いない。それはまさに自分の望むところだったのではないか・・・。 ジョージは何食わぬ顔でアンジェラのもとへ帰った。 ジョージはアンジェラの父親(シェパード・ストラドウィック)と面会し、アンジェラとの結婚の承諾を得た。だが、父親は言うのだった。「事を急いではならん」 父親は、どことなく暗い影のあるジョージが気にかかっていたのだ。 アリスの溺死体が上がった。マーロウ地方検事(レイモンド・バー)が捜査を開始した。 貸しボートの管理人、アリスのアパートの家主に聞き込みをした結果、ジョージ・イーストマンの名前が浮かび上がるのに時間はかからなかった。 ジョージとアンジェラがドライブから帰り、分かれた時、警官のバイクの音がした。ジョージは林の中へ逃げたが捜索隊に間も無く逮捕される。 アンジェラはジョージが殺人罪で逮捕されたと知り、卒倒して倒れた。 ジョージの裁判が始まる。アリスの死は事故か殺人かが争点だった。 「何故、ボートに誘ったんです?」  「心の底に殺意があったからです。でも、それを僕は必死に打ち消そうとした。あれは事故だった」 検事側、弁護側とのやりとりが続けられた。マーロウ地方検事は実物のボートを法廷に運ばせた。そこへジョージを事件の夜と同じように座らせ、叫ぶ。 「アリスの頭部には傷があった。これで彼女を殴ったんだ!」マーロウはオールを振り下ろして叩き割った。 陪審員の評決が出た。「第一級殺人罪と認めます」 死刑囚となったジョージに母親が面会した。「殺していないのに何故なんだ」ジョージは訴える。 布教活動をしている母親は言う。「神は全てをお見通しよ」 アンジェラが面会に来た。最後の抱擁だった。「私たち、さよならを言うために出合ったのね」 アンジェラにはもはや涙はない。 電気椅子の刑場に向かうジョージの脳裏に去来するものは、アンジェラとのつかの間の甘美な日々であった。 映画館主から 実際にあった事件をもとにセオドア・ドライサーが発表した小説「アメリカの悲劇」の映画化です。 貧しい環境で育った青年が「陽のあたる場所」を求めてあがき、やがて悲劇的な結末を迎えるという筋立てです。 ジョージ・スティーブンス監督はクローズアップを効果的に用いて登場人物の心理を表現しました。完全主義者のスティーブンスは人物のクローズアップとともに、二つの画面をダブらせる“ディゾルブ”の手法で揺れ動く心の動揺までも捉えています。 彼は本作でアカデミー監督賞を受賞、2年後の異色西部劇「シェーン」を経て、5年後の「ジャイアンツ」で再度受賞しています。 中でも主演のモンゴメリー・クリフトの思いつめたように刻印された暗い表情は、役柄にピッタリでした。 当時19歳のエリザベス・テーラーの美貌は、世界一の美貌と評されるのに納得します。まさに“犯罪の陰に女あり”なのであります。 アリス役のシェリー・ウィンタースは、貧しいながら将来に夢を描く健気な女を演じて注目された演技派女優です。地味ながら出演作品は多く、「明日なき十代」(’61年、ジョン・フランケン・ハイマー監督)や「ロリータ」(’62年、スタンリー・キューブリック監督)などが印象に残っています。 アカデミー賞は監督賞の他に、脚色、撮影、衣裳デザイン、編集、劇音楽と6部門に輝いています。

  2008年2月9日(土)              「Ray」 
「Ray」が放送されるよと主人が教えてくれた。
主人は、BSデジタルの方が 面白い番組が多いと、
自分の部屋でBSばかり見ている。
最近の私は、地上波の情報番組、クイズ、
バラエティなどの番組を見る事が多い。
それで、私の好きそうな映画が放送される時は
わざわざ、教えに来てくれる。 有難いわ〜〜(笑)
「Ray」は3年前に見に行って、感激した映画。
もう1度、見てみたいと思っていた。
筋の方は、大体分かっていて、前ほどの感動は
なかったけれど、内容も音楽も、ゆっくりと
味わって見る事が出来た。
見終わった感想は、レイ・チャールズは音楽に
関しては才能溢れる天才だと思った。
目が見えないために、想像を絶する困難が
あったろうに、それを乗り越えて、世界中の人々を
熱狂させるサウンドを作ってきた。
映画の中で流れる曲は、ほとんど知っている曲。
ついつい、リズムに合わせて身体をゆすっていた。
 映画資料から
 世界中から愛された盲目のシンガー、レイ・チャールズの波乱の半生を描く。
 監督は「愛と青春の旅立ち」などのハックフォード。
 レイと交流のあったハックフォードが、貧困、差別、ドラッグ、セックスと、
 彼の華やかな人生の裏に隠された孤独や苦悩を鮮明につづっていく。
 3歳のころからピアノを始めたという主演のフォックスは、レイ本人が直接選んだ。
 本作に深くかかわったレイだったが、2004年、完成を待たずに他界した。
 主演のジェイ・フォックスは、この映画でアカデミー主演男優賞を取った。
 あまりにも、レイ・チャールズの仕草、雰囲気を、そっくりに演じたため、
 物まね演技だという映画批評家もいたらしいが、反対にレイ・チャールズが
 乗り移ったような迫真の演技との評価が認められた結果 主演男優賞を取った。
 去年見た「ドリーム・ガールズ」にも出ていた。 歌も上手だった。
 「ドリーム・ガールズ」も、もう1度、見たい映画の1つだけれど、
 やはり、音響効果のいい映画館で見なければ感激は 半減してしまうと思った。
 「Ray」も、数々のヒット曲が流れたが、映画館で聞いた方が素晴らしいと。。。
 あらすじ  (映画資料から)
 レイ・チャールズ・ロビンソンは、弟の溺死によりトラウマを背負い、
 9ヵ月後、視力を失うが、母は幼い彼を決して甘やかさなかった。
 1948年、17才でシアトルに出たレイは、「盲目の天才」と評判になる。
 やがてレイは、ゴスペルとR&Bを融合させた新しい音楽、ソウルを誕生させた。
 一方、名声の裏では複数の愛人、そして麻薬に手を出し、その生活は荒んでいく。
 1965年、麻薬の密輸で逮捕されたレイは、自ら厚生施設へ入り、
 薬を断ち切る決意をする。

 非難を浴びながらも教会音楽とR&Bを融合させ、黒人のルーツをたどりつつ
 「魂」を弾き語るジャンルを確立した音楽界のパイオニア。
 端的に描かれるその事実だけで、『ブルース・ブラザース』と「いとしのエリー」
 のカバーでしか彼を知らない世代は、目からうろこが落ちるかもしれない。
 何よりも素晴らしいのは少年時代の回想シーンだ。
 ジョージア州で幼くして失明した彼を毅然とした態度でしつけた母の教えと、
 トラウマとなった弟の溺死。ハンディを背負いながら生きてきた苦を見せつけず、
 時折フラッシュバックで挿入される母と大地の原風景が、常にレイを鼓舞する。
 人種差別に立ち向かい、仕事に没入する一方で、クリエーティブを優先して家庭を
 放り出し、ヘロインと女に溺れた。
 それは人間レイを描くうえで必要不可欠なエピソードだ。
 ヒットを連発し、次を期待されればされるほど、破滅的になっていく様が痛ましい。
 そんな人生のあらゆる局面が歌詞となり、リズムになっていく。
 彼自身から紡ぎ出される聖と俗が同居した音楽。
 豊富な音源で構成されるエピソードの数々。
 その裏側にあるものをしっかり見つめようとする演出は、斬新さこそないが、
 誠実さを感じさせる。

  2008年2月4日              「カッコーの巣の上で」 
「ディパーテッド」でマフィアのボスを演じた
ジャック・ニコルソン主演の映画。
精神異常を装って刑務所での強制労働を逃れた男が、
患者を完全統制しようとする精神病院の看護婦長から
自由を勝ち取ろうと試みる、という物語である。
精神病院が舞台のかなり重いテーマの映画なので、
楽しい映画ではないが、何故か最後まで見てしまった。
もちろん、ハッピーエンドで終わるわけもない。
今とは精神病の治療方法も違って、悪魔の手術と
言われたロボトミー手術がもてはやされた時代だ。
ケネディ元大統領の妹もこの手術を受け廃人と
なってしまったとか。。。
1975年のアカデミー賞では、作品賞、監督賞、
主演男優賞、主演女優賞、脚色賞と主要5部門を
受賞するなど絶賛された映画だ。
精神病患者だって人間だ。明るく楽しく生きる権利が
あると あらためて考えさせられる映画だった。
 あらすじ (映画資料から)
 1963年9月のある日、男が1人オレゴン州立精神病院の門をくぐった。
 その男ランドル・P・マクマーフィ(ジャック・ニコルソン)は刑務所の強制労働を
 逃れるために気狂いを装っていた。 そんな彼を担当医の
 スパイビー(ディーン・R・ブルックス)は深い興味をもってながめていた。
 そのマクマーフィが初めてディスカッション療法に参加した。
 病院は絶対権をもって君臨する婦長ラチェッド(ルイーズ・フレッチャー)の
 専制のもとに運営されていた。
 インテリ患者ハーディンを始め、他の患者たちがまるで生気のない無気力人間に
 なっている事実にマクマーフィは驚いた。
 翌朝のディスカッション療法の席上、マクマーフィはワールド・シリーズの実況を
 テレビで見れるよう日課の変更を要求した。
 ラチェッドは一蹴したが、病院の方針により評決は患者たちの投票に
 委ねられることになった。
 しかし、賛成投票したのはチェズウィクとテーバーの僅か2人だった。
 患者たちの協力が必要と感じたマクマーフィは運動を開始した。再投票が行われた。
 『急性患者』9人全員の賛同を得た。しかしラチェッドらはこの病棟には
 他に9人の『慢性患者』がいるとの理由で却下した。
 完全痴呆の慢性患者、その1人1人を口説いてまわり、やっとチーフと呼ばれる
 インディアン患者(ウィル・サンプソン)の説得に成功するが要求は時間切れで
 冷たく拒絶された。ある日、マクマーフィは患者たちをレクリエーションに
 連れていく予定のバスを奪い、彼らを小さな港に連れていく。
 彼の女友達キャンディも一緒だ。船をたくみに借り出したマクマーフィらは
 一路外洋へと乗り出した。
 フレディリクソン、マルティニ、セフェルト、ビリー……誰もの顔が小さな鳥籠から
 大空に放たれた小鳥のように生き生きとしていた。
 それ以後も、マクマーフィは次々とラチェョドの専制的体制に反抗を続けた。
 次のディスカッション療法のとき、タバコの配給のことから看護人と争った彼は、
 罰としてチェズウィクやチーフと共に電気ショック療法に送られる。
 さすがに不安になったマクマーフィを勇気づけたのは今まで誰とも口をきいたことが
 なく聾唖だと思われていたチーフダった。
 チーフがマクマーフィに対して初めて心の窓を開け始めた。
 2人は秘かに脱出計画を練った。決行日が近づいた。
 ある晩、マクマーフィは看護人を買収し、キャンディらを引き込み、
 お別れの乱痴気パーティを開いた。
 キャンディに恋したビリーの告白をきいたマクマーフィは、一夜の思い出にと
 2人を別室に送り込んだ。病院に朝日がさし込むと、看護人が現われ眼をまわした。
 室内は乱れに乱れ、患者たちが眠りこけているのだ。ラチェッドに、
 全裸でキャンディと寝ているところを目撃され攻められたビリーが自殺する。
 平静さを装って勤務につく看護婦ラチェッドの冷酷さにマクマーフィの怒りが爆発した。
 あやうく彼女を締め殺しそうになった彼は病室から連れ去られた。
 数日後、1人ひそかにその帰りを待つチーフのもとへ、今や額にロボトミーの跡をつけ
 植物人間と化したマクマーフィが戻ってきた。怒りと悲しみ。
 マクマーフィをこのままここに置くにしのびないと感じたチーフは、
 枕を押しつけ彼を窒息死させた。
 チーフにとってそれが最後のマクマーフィに対する友情の証しだった。
 明け方、窓をぶち破り、祖先の愛した大地を求めて走り去るチーフの姿が、
 逆光の朝日の中にあった。

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